鰻屋のまかないはうなぎを食べることができるのか

こんばんはしょーたです。

2020年7月21日『丑の日』がありましたね。皆さんはうなぎ料理を食べましたか。

名古屋名物ひつまぶし

私が飲食店で働いていたことは記事にしてきましたが、言い忘れていました。私はうなぎ屋で働いていました。
うなぎ屋さんで働いたことがある人はとても少ないのではないでしょうか。

初対面の人との会話では、ほぼ100%驚かれていました。
そして二言目には、「うなぎ屋さんってまかないは鰻がでるのか」という質問でした。

そんな疑問に記事でお答えしたいと思います。
※本文中で、『鰻』や『うなぎ』と書いていますが、読みやすさで使いわけているだけです。

うなぎ屋でのまかない

結論から書くと、鰻を食べることはほとんどありません
話は以上です。なんて終われるわけはないので少し書いていきましょう。

うなぎ屋でのまかないは、他の飲食店と変わらないものを食べていました。
例えば、まかないの王道であるカレーをはじめ、チャーハンであったり洋食のシチューであったり様々なレパートリーがありました。


うなぎ屋なのにそんな食材ないではないかと思う方もいらっしゃるでしょう。
それは鋭いです。

確かに、うなぎ屋には鰻以外の食材は少ないのです。
余ったものに食材を買い足してまかないを作ります

例えば、うなぎ屋に欠かすことのできない『タレ』と『お出汁』を利用して、玉子と鶏肉を買い足しての『親子丼』。
『お出汁』とかえし(醤油・砂糖・みりんを煮詰めたもの)を合わせてうどんつゆを作り、『煮込みうどん』とあらゆるものを食べていました。

まかないで豚肉や牛肉は食べられない

まかないを食べるなら、疲れた身体にエネルギーがつくものが食べたくなりますよね。
まさにお肉のことですが、許させるお肉にも種類がありました。

許されるお肉は鶏肉がメインです。豚肉や牛肉はあまり食べることができませんでした。

理由はやはり高いからです。まかないだといって毎日牛肉を買い足していたら本末転倒です。
まかないによるお店の負担は少ないのが理想ですから。

それぞれの購入費用を考えてみるとわかります。
鶏肉のブロイラーで1㎏500円ほど、豚ロースで1㎏750円~1000円ほどはしますね。
牛肉となるとさらに値段はあがります。

ですから必然的に鶏肉が選ばれることになります
うなぎ屋時代は鶏肉の食べ過ぎで、休日にはトンカツや焼肉が食べたくなることが多かったです。

鰻の原価は牛肉よりも高い

鰻の原価は、国産の養殖もので1匹辺り1000円ほどかかります。
1㎏では、5500円~6000円ほどかかります

豚肉や牛肉と比べても比較にならないほど高いことがわかります。こんなに高価なものがまかないで食べられるわけがありませんよね。

実は、鰻がまかないで食べられない理由がもう一つあります。
それは、鰻の可食部が多いことが挙げられます

スーパー等で、豚肉の『小間切れ』が売られているのと同様に、鰻の全ての部位が売り物として利用できるのです。
鰻の頭であれば、脳天の部分を取り出し『カブト焼き』として、また内臓は苦みが特徴の『肝焼き』として利用されるわけです。
上記のように、身でない部分は主に『串焼き』として利用されるため、まかないとしては提供されないということになります。

鰻を食べることができる時もある

冒頭で、ほとんど食べることができないと書きました。
そうです。食べることができる時もあるのです。

それは何を隠そう、”土用の丑の日”です。
丑の日は、鰻屋にとって一年で一番売り上げが上がる日です。

普段鰻を食べない人も、この日ばかりは食べる。という人が多いですよね。

そんな丑の日は、とてつもなく忙しくなります。私が働いていたところでは、普段の一日の売り上げの6倍から7倍の売り上げが当たり前でした

そんなとてつもなく忙しい”土用の丑の日”には、『疲労回復のため』そして『大入り』としてにうなぎがまかないとしてだされるのです。
疲れた後のうなぎはとっても美味しいですよ。

まとめ

いかがでしたか。
『鰻屋のまかないで、鰻がでない理由』がなんとなくわかりましたか。

鰻を毎日食べたければ、稼ぐしかない。ということですね。おあとがよろしいようで。

今回の執筆時間2時間30分

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